月の白狐

幻獣掲示板でパートナーを待っていた狐の幻獣ユスト。無事に素晴らしいパートナーさんと巡り合いました。ユストとの出会いを、簡単にですがご紹介しますね。

ユストとの出会い

ユストと私が出会ったのは、霊の国をリノンと散歩していた時です。ハクアはひとりで出かけてしまったので、ふたりでのんびり話をしながら歩いていました。

夜だったのですが、その散歩道は淡い青色にぼんやりと光っています。足跡が数秒のこるので、リノンは後ろを振り返っては、その足跡の軌跡を面白そうに見ていました。

しばらく歩いていると、前方から誰かが歩いてきました。私たちに気がついて一瞬立ち止まりましたが、そのまままっすぐやってきます。額のあたりが三日月の形に光っているように見えました。リノンはじぃっと見つめています。

そんなに見つめたら失礼でしょう、と言いかけた時、リノンがその幻獣に向かってトコトコ歩いていきました。

「こんばんは!」

リノンが明るくあいさつします。月明りに照らされて浮かび上がったのは、白いリトゥの顔。そのリトゥがユストでした。

「あ、こんばんは…」

少し硬い声ですが、挨拶を返してくれたユスト。これが私たちの最初の出会いとなりました。

ユストはちょっと人見知りな幻獣でしたが、打ち解けると色々なことを話してくれるようになりました。ここでは友人とたまに会いながら静かに暮らしていること、この辺りの水は月に照らされてとてもおいしいこと、夜は星の旅路が見えること。そして、人間界についても。

ここでの暮らしは楽しいけれど、人間界に行ってみたい。そうユストは話しました。人間界のことを”ストーリーテラー”に聞いてから、ずっとそう思っていたそうです。

人間界でたったひとりのかけがえのない人間と共に歩んでいきたい。それが彼の願いです。

私はユストの話を聞いて数日後、彼に人間界へ行く方法を話しました。私は幻獣士だから、人間界に行ける。人間にあなたのことを伝えて、一緒に生きてくれる人がいないか探せる……と。

ユストはしばらく驚いて何も言えない様子でしたが、途端に瞳は輝きを増し、普段あまり笑わない彼の口元が綻びました。

「ーありがとう。」

彼の一言には、あらゆる思いが詰まっているようでした。

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幻獣士のさよです。 幻獣と人が共に行きるための、お手伝いをさせていただいております。 皆さまのあたたかなお言葉、いつも感謝です。 幻獣使いの皆様と、これからも末永くお付き合いができますように…。